シングルユース鋼製器具を検討すべき理由

欧州や北米では「シングルユース(1回のみの使用。ディスポーザブルともいわれる)」の医療器具があることをご存じでしょうか?この記事では、既存の医療用鋼製器具とは異なるシングルユースの鋼製器具の歴史的背景や特徴を紹介し、エンサーブならではのシングルユース鋼製器具、種類別鋼製器具の長所と短所を検証致します。

この記事ではトヨタ自動車やスタートアップで金属部材の調達を13年してきた筆者が経験談を交えながら以下ついてご紹介致します。

まず、シングルユース鋼製器具とは何でしょうか?シングルユース鋼製器具とは、鉗子のようなステンレス製の医療器具のことで、従来は消毒して何度も利用されます。シングルユース鋼製器具が使われ始めたのは比較的新しく、その歴史的背景と使用例をご紹介致します。

歴史的背景

2000年頃、英国では衛生管理を理由に、外科手術用にシングルユース鋼製器具を使い始めました。現在、欧米ではシングルユース鋼製器具の4つのメリットを見出しています。現在では、シングルユース鋼製器具は多くの医療、歯科、獣医用途に使用されています。シングルユース鋼製器具は、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで普及しています。その他の地域では、まだそれほど一般的ではありません。日本では、シングルユース鋼製器具は手術キット等で使用されています。欧米程一般的でない理由として、大学病院などの大きな医療機関では減菌処理の運用が日本ではしっかりしており、シングルユース鋼製器具をそれほど必要とされない事が考えられます。

シングルユース鋼製器具を使う理由

衛生的

シングルユース鋼製器具は交差感染(クロスインフェクション)のリスクを避ける事ができます。英国ではNHS (国民保健サービス、本内容では日本の厚生労働省に相する組織)としても特定の医療処置においてシングルユース鋼製器具の使用を奨励しています。

コストパフォーマンスの良さ

シングルユース鋼製器具は、器具のコストを簡単に可視化できます。再使用器具を使用する場合、滅菌費用、管理費用、状態の確認やメンテナンス費用など、多くの隠れた費用が発生します。

簡素性

クリニックや病院を効率的に運営するのはビジネスと違い、収益の他に患者様の安全・安心を考慮する必要があり、難易度が高いです。シングルユースの鋼製器具を使用することで、医師や看護師の皆様が患者様により向き合えるよう、鋼製器具の管理プロセスをシンプルにすることができます。また、災害時にも、シングルユース鋼製器具は便利で安全な選択肢となります。

環境への配慮

シングルユース鋼製器具は必ずしも環境に悪影響を与えるとは限りません。使い終わった器具は金属ゴミとして廃棄すれば、適切にリサイクルされ、また鉄に生まれ変わります。

シングルユース鋼製器具とは

英国においても典型的なシングルユース鋼製器具というのはございません。シングルユース器具の適応は、感染のリスクを考慮して、医療器具ごとにケースバイケースで判断されています。以下はシングルユース鋼製器具の一例です。

イメージ名称特徴
包帯
ハサミ
包帯はさみは、包帯等の柔らかい材料をカットします。包帯ハサミは通常、片方の刃の先端が鈍く、下側の刃がやや長く尖っています。刃先が鈍いため、包帯を切り開く際に誤って刺し傷を負うことを防ぎ、患者の皮膚に危害を加えるリスクを軽減することができます。
アドソンピンセットアドソンピンセットは、細長い鋸歯状の先端が特徴で、隆起が噛み合っています。この鋸歯状の先端により、外科手術中に組織、縫合糸、その他の小さな物体をしっかりとつかむことができます。一般的に、繊細な組織の把持や操作、縫合糸の保持、小さな器具やインプラントの設置の補助に使用されます。鋸歯状の先端は確実なグリップを提供し、精密な制御ができます。
モスキート鉗子モスキート鉗子は、外科手術の際に小さな血管を止血するために設計されています。モスキート鉗子は、一般外科、整形外科、形成外科、婦人科など、さまざまな外科分野で一般的に使用されています。特に、手術顕微鏡を必要とする手術など、細い血管を扱う手術に有用です。
メーヨ・ヘーガル持針器メーヨ・ヘガール持針器は、ハサミのようなデザインで、外科手術中の針の把持、操作、縫合に使用されます。従来の外科用ハサミとは異なり、メイヨー・ヘガール持針器には切断刃がありません。その代わりに、針をしっかりと保持するように設計されており、縫合プロセス中の正確なコントロールと操作を可能にします。切断刃がないため、縫合中に誤って組織を損傷するリスクが軽減されます。

エンサーブ製日本品質のシングルユース鋼製器具

上記の例のように、シングルユース鋼製器具は低価格、低品質の傾向があるため、生命に直接関わらない鋼製器具に採用されるやすいです。エンサーブは、中価格帯で高品質なシングルユース器具を提案しています。お客様のシングルユース鋼製器具の提案・利用範囲の拡大に貢献致します。

エンサーブは、より高品質なシングルユース鋼製器具をご提案致します。日本品質でリーズナブルな価格となっております。日本製鋼製器具の特徴の一つは、使い心地の良さです。感触がとても軽く、ストレスや疲れを感じることなく使用することができます。また、職人の手によって作られた先端の仕上げの素晴らしさも日本製鋼製器具の特徴です。

シングルユース鋼製器具のメリット・デメリット

鋼製器具タイプ別比較表

鋼製器具には、通常の何度も使用するもの、標準的なシングルユース鋼製器具、そしてEnserveのシングルユ鋼製器具器具の3種類があります。以下は3種類の比較表です。

通常の鋼製器具一般的な
シングルユース鋼製器具
エンサーブ
シングルユース鋼製器具
Single use instruments
取り回し使用毎に殺菌・減菌処理が必要使用後は金属スクラップとして廃棄使用後は金属スクラップとして廃棄
メンテナンス刃研ぎや形状修正が必要不要不要
品質製造元によるが概して良好使い捨ての為、品質はそれなり日本品質を厳密に管理
鋼製器具コスト高額安価中価格帯
運用コスト運用手法による(メンテナンス履歴管理をやればやるほどコスト増)無し。但し鋼製器具を都度購入無し。但し鋼製器具を都度購入
通常の鋼製器具とシングルユース鋼製器具の比較表

まとめ

本稿では、シングルユース鋼製器具の歴史的背景、特徴、具体的な器具を例として紹介させて頂きました。そして、使いやすさ、品質、トータルコストを改善させうる日本品質のシングルユース鋼製器具を提案させて頂きました。エンサーブは、あらゆる種類の鋼製器具(通常の鋼製器具、一般的なシングルユース鋼製器具、エンサーブシングルユース)に対してご相談させて頂きます。卸やメーカーの皆様にとって喜んで頂ける提案・合理的な判断ができるよう取り組まさせて頂きます。最終的には医師や看護師の皆様がより患者様に専念できるようにできれば幸いです。

お客様のQCDのご期待に応える鋼製器具のご提案を大切にしています。