中小企業が海外取引をする際の輸送会社・手段を選ぶには

For Small and medium-sized enterprises (SMEs), shipping method is often a cause for headaches
中小企業が海外取引する際に、輸送方法や手段は難しい問題です

海外企業との取引をする際に輸送手段について悩んだ事はございますでしょうか?あるいは現在の輸送手段・輸送会社の見直しを考えられているのかもしれません。本記事では中小企業がよく使う2つの輸送手段を紹介した上で、具体的に輸送手段毎に存在する企業のタイプを紹介致します。この記事を通じて、国際物流の概要と日々の運用について見直す参考にして頂けると嬉しいです。

 最初の輸送手段はフォワダー(別称「乙仲」)です。フォワダーは物流サービスを提供する会社で、国境を超える船舶、航空に加え、陸送の輸送も手配できます。メインとなる輸送は船舶となり、船舶のスペース枠を抑え、小口に販売致します。通常最低20万円以上費用発生します。典型的なフォワダー企業は郵船ロジスティックス等ですが法人向け企業のためクーリエ企業程知られていません。フォワダー企業は地場企業が多く、郵船ロジは国内市場でプレゼンスがありますが、アメリカではExpeditorsといった具合に国別に有力企業が群雄割拠しています。

 2つ目の輸送手段はクーリエ/EMSです。クーリエはドアツードアで国際輸送をする会社です。典型的なクーリエはFedEXやDHLで、B2C企業でもあるためご存じの方も多いかと思います。EMSもクーリエに似てますが日本郵政による半公共サービスです。EMSは国毎に名前は変わりますが、基本的に各国郵便局で使えます。

フォワダーとクーリエ/EMS使い分け考え方

  1. 輸送物が30kg以下/150,000㎤以下(縦x横x高さで計算)なら、EMSの利用を考えたいところです。EMSはトレース可能で最も低コストになります。しかし、EMSには3つの利用条件があります。①EMSは利用不可能な国や都市がある。②EMSは輸送国の公共郵便サービスの信頼性次第となってしまう③EMSはクーリエよりも時間がかかる事がある
  2. もし1.でEMSが使えない場合、クーリエの利用がおすすめです。コストは2,000USDまでコストやサイズ次第ではかかるかもしれません。また、クーリエ企業は一部の都市や地域では利用できないですが、別のクーリエ企業では利用できたりします。
  3. もし2.でクーリエが使えない場合、フォワダーの利用がおすすめです。フォワダー企業はかなり数が多いです。フォワダーの種類別に長所と短所を整理すると下記の通りになります。

フォワダー種類別の長所と短所

  • キャリア(船舶輸送会社)系列企業 フォワダーの中には大手キャリア(船舶やトラック、倉庫を保有し、運用している会社)の系列企業があります。このタイプのフォワダーは支店が世界中にある事があります。顧客は大手企業である事が多いです。余談ですが、自動車会社のような最大手企業だとキャリアと直接やりとりしています。例えば郵船ロジスティックス(日本郵船系列)やK-Lineロジスティックス(川崎汽船系列)があります。 長所:世界中に支店がある(三国間貿易などで船舶が行かないルート でもスムーズに輸送可能) 長所:信頼できるサービス(本社からマネージャーが世界中の支店に 派遣され、本社との連携され、サービスの品質が担保されやすい) 長所:社員の質が全体的に高い(社員もよく研修・指導されており、 ミスをしにくい。想定外の問題が発生しにくい) 短所:遅いレスポンス(新しい航路や運用をする場合、工場出荷から 出航まで6-8週間かかった事あり) 短所:価格競争力の弱さ(輸送船の割り当ては親会社が優先される。 また社員も積極的に競争力あるで仕事をとりにいくというスタンスでない、 物量が小さい中小企業ならなおさら)
  • 独立系フォワダー 系列企業タイプと異なり、独立系フォワダーは資本が個人等、船舶輸送会社以外で構成されています。これらのフォワダーは船舶やトラックを保有しないことが多いです。企業によっては「日本-中国船舶のみ」など分野を特化しています。例えば近鉄エクスプレスや多くの中小フォワダーがあります。 長所:特定の分野での深い知識とネットワーク(食品や薬品などの法規知識 があり、得意な地域での物流企業や船会社をよく知っており使い分けできる) 長所:早いレスポンス(現地への知識が豊富なため、対応も早い) 長所:価格競争力の強さ(頼れる親会社がないため、社員はハングリー 精神があり早くて安いキャリアを見つけてくるのが上手い) 短所:対応地域が限定的(大手独立系フォワダーですら、系列タイプに 比べると支店網が小さい) 短所:信頼性の弱さ(海外パートナー企業を監督するのが難しい事あり。 荷主はかなり詳細・具体的な指示をし、安全を確保・輸送品質を 確保する必要あり) 短所:特定の社員に依存(組織が小さい事が多く、サービス品質が 特定の社員に依存してしまう。もし頼れる社員が退職すると遅延や 品質問題リスクとなりえる)

 弊社は金属二次加工品(鉄、アルミ、銅、合金)の輸出入で、フォワダー様と毎日のやりとりをすることで輸送におけるQCD担保を確保しています。

 もしこれらの調達でお困り事がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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