新年明けましておめでとうございます。昨年お世話になりました皆様、今年もよろしくお願いします。また本年の新しい出会も楽しみにしております。2022年はサプライチェーンの混乱やドラスティックな変更が多かったように、2023年も金属業界のサプライチェーンは予断を許さない状況です。本記事は、日本の鉄鋼業界の動向の一部を、独立系金属サプライチェーン企業である弊社の解釈・取り組み事例と合わせてご紹介させて頂きます。鉄鋼業界をはじめ、素材業界に関わる方にオススメの内容です。
2022年、世界の多くがインフレ、特にエネルギーの価格上昇に悩まされました。ほとんどの国の中央銀行がインフレを抑制するために金利を引き上げました。その結果、借り入れコストが上昇し、2023年には経済が減速すると予想されます。このような背景から、2023年前半は価格下落圧力と過剰生産能力が顕著になると思われます。特に中国の需要が弱く、過剰生産能力から鋼種によっては価格下落圧力が強くなると思われます。一方2023年後半に、インフレが落ち着けば、需要は回復する可能性があります。世界的な鉄鋼価格の下落圧力がある一方で、日本の鉄鋼価格は、製鉄所の統合やエンドユーザーの日本材優先により、一部の鋼種では価格も比較的に安定しています。一方供給に関しては鉄鋼メーカーが各卸への供給を管理しており、卸は急な拡販がしにくい一方、過剰在庫リスクを抑えられているという側面もあります。2023年、半導体の供給が安定し、自動車生産が回復すれば、日本の鉄鋼需要は増加し、日本市場での価格は少なくとも安定、場合によっては上昇する可能性もあります。自動車用途は日本の鉄鋼需要の1/4を占めており、生産の振れ幅も大きいため弊社の取り扱う鉄鋼製品も直接・間接的に影響を受けます。
2022年は気候変動や異常気象がより顕著に感じられる年となりました。その中で、金属産業は大量の炭素を排出しており、カーボンニュートラルは金属産業にとって重要なテーマであり続けています。日本の鉄鋼業界は、2050年までにカーボンニュートラルを達成することに合意しています。鉄鋼業界、特に大手高炉メーカー(日鉄、JFE、神鋼)は、鉄鋼製造に水素を活用することに取り組んでいます。というのも高炉メーカーは石炭や鉄鉱石などの鉱物を溶かすために炭素排出量が多く、一方電炉メーカーは鉄スクラップをリサイクルしているため炭素排出量が少なくなります。このカーボンニュートラルの流れは、新技術への莫大な投資を求められ、将来的には鉄鋼価格に「炭素税」が課されるかもしれない話もございます。このような流れは、日本の鋼材価格を押し上げる可能性があります。エンサーブとしては、弊社なりのやり方で、カーボンニュートラルに貢献できるよう取り組んで参ります。例えば、銅合金の活用により、生産スピードを飛躍的に向上させ、ガス・電気使用量を減らし、炭素排出量を削減するような提案をさせて頂きます。
金属業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、大企業の間では、経理、生産管理、営業、人事、研究などの分野でここ数年進められてきています。大規模な工場では、メンテナンスや安全のためにドローンが使われることもあります(参考)。エンサーブとしては、中小企業として、以下のように少しずつDXを導入しています。カタログ作成はCanva、無料イメージ写真はオーダン、最近はAI図面イラストはMidjourneyなど、無料で使いやすいツールがあります。また、業界の習慣として、対面での打ち合わせが好まれるため、DXと対面での人間関係構築のバランスをとって行こうと思います。
- クラウドデータ管理
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- 無料カタログ作成ソフト
- 無料AIイラストソフト
- クラウドソーシング
エンサーブは、2023年もテーラーメイドの金属材料サプライチェーンカンパニーであり続けます。品質、コスト、納期、その他の問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。